『ビロードのうさぎ』 マージェリィ・W・ビアンコ/原作 酒井駒子/絵・抄訳 [絵本]
(中の絵が2枚ほど見られるのでこちらを貼っておきます。Amazonはこちら)
ここ2週間ほど仕事がハードだったため、ちょっぴり疲れ気味です。
疲れているならすぐ帰れば良いのに、そういう時ほどどういうわけか寄り道をしてしまいます。
寄り道した本屋で、見つけてしまいました。
絵本売り場で平積みされていた目立つ黄色い縁取りの絵本。
中央に水色のリボンをしたうさぎのぬいぐるみ。
ひと目でわかる愛らしさの中にも影を秘めた大好きな酒井駒子さんの絵。
そして
『ビロードのうさぎ』 マージェリィ・W・ビアンコ
思い入れのあるお話です。
レジへ直行しちゃいました(*^_^*)
『僕、トーキョーの味方です』 マイケル・プロンコ/著 [エッセイ・他]
僕、トーキョーの味方です―アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由
- 作者: マイケル プロンコ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
日本人は外国人の書いた日本論を読むのが好きな国民だ、と言われているようですが、もしそうなら多分に漏れず私もそのうちの一人です。
あまり良い意味にはとられていないようですが(外聞を気にしすぎるから?)、別に悪いことではないと思います。
全く違う文化の中で育った人の視点から見た日本は、自分が見知っている(と思われる)日本と、同じようで少し違った姿に映っているようです。
身近すぎて気づかない慣れ親しんだものの新しい面を知るのは、楽しいものです。
この本は、私が今まで読んだ外国人の書いた日本本の中で、かなり上位に入るお気に入りになりました。
『泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』 酒見賢一/著 [日本人作家]
通勤電車の中で本を読んでいます。
行き帰り合わせて毎日2時間くらい。
集中して読めるのは良いのですが、気になることが。
物語に入り込んでしまうと、ついうっかり涙ぐんでしまったり笑ってしまったりしてしまうのです。
他の乗客から見たらアヤシイ人かも・・・ちょっと不安です。
とっさに表情筋を引き締めてできうる限り表に出さないようにはしていますけれど、果たしてどれほどの効果があるのかは甚だ疑問・・・。
そういった経験ありませんか?
と、どうしてこんな話をするのかというと、この本を読んでいる間まさに笑いをこらえるのに苦労したからです。
前作が出てから2年あまり。
やっと続きを読むことができました。
前作『泣き虫弱虫諸葛孔明』は、孔明嫁取りから三顧の礼まで。
そして今作は孔明出廬から長坂坡の戦いまで。
一度でも「三国志(演義)」を読んだことがある方にはぜひお薦めしたい本です。
ただし、既存の「三国志(演義)」からは100万光年ほどかけ離れている上、孔明をはじめ主に蜀関係の登場人物がかなりコワレていますので、知的で爽やかな孔明や仁義に厚く聖人君子(?)な劉備などのイメージを崩したくない方は読んではいけません。
絶対に後悔します。
『草原の輝き』 野中柊/著 [日本人作家]
野中柊の新刊(初出は1998年)です。
最近たて続けに出版された3冊(他は『このベッドのうえ』『ジャンピング☆ベイビー』)のうちこれを選んだのは、江國香織の解説があったからというちょっと不純な動機。(けれどやはり江國さんの独特な視点からの解説は絶妙)
少女の頃、母親が弟を連れて自殺(父親は浮気別居中)したために心に深い傷を負った主人公の心の救済についてのお話です。
以下、ネタバレしていますので、未読の方はご注意を。
『ぬるい眠り』 江國香織/著 [日本人作家]
江國香織の新刊です。
あちこちの雑誌に掲載されたものをまとめただけあって、題材も長さもばらばらな9編が収められています。
お目当ては『きらきらひかる』のその後の「ケイトウの赤、やなぎの緑」でしたが、他の作品もバラエティに富んで面白かったです。
一番古いものが’89年、新しいものが’03年発表と10年以上の開きのある作品が発表年順に並べられています。
以下、印象に残ったものの感想を簡単に。
『面白南極料理人』 西村淳/著 [旅行記(本)]
南極観測隊第38次隊に料理担当として参加した著者の料理&南極ライフです。
「南極観測って、どんな人が行っているのだろう?」
という興味と
「なんか美味しそう」
といった理由でこの本を手に取りました。
有名な昭和基地から更に奥地に行くこと1000km。標高3800m、平均気温−57度、最低記録気温−79.7度という、動物どころかウィルスさえも存在できない極寒の「ドームふじ観測拠点」で、繰り広げられる観測と宴会の日々が綴られています。
私は、南極というとタロジロとかペンギンとかしか浮かばない人間なので、とても興味深く読ませてもらいました。
小さな画集:ジョン・シンガー・サージェント [アート]
The Age of Elegance: The Paintings of John Singer Sargent (Phaidon Miniature Editions)
- 作者: John Singer Sargent
- 出版社/メーカー: Phaidon Inc Ltd
- 発売日: 1996/10
- メディア: ペーパーバック
前日の記事にサージェントが出てきたので、私がよく眺めている画集の話を少し。
といっても、趣味でただ眺めるのが好きなだけなので、専門的な難しい事を言われてもわかりませんので、そこのところはご容赦ください。
『シャルビューク夫人の肖像』 ジェフリー・フォード/著 [外国人作家]
表紙のサージェント「マダムXの肖像」。
この絵に惹かれて手に取りました。
19世紀末、ニューヨーク。
主人公は肖像画を生業にする画家・ピアンボ。
ある日彼の元に、奇妙な盲目の男が訪ねて来ます。
彼の主人の肖像画を描いて欲しいというのです。
案内された屋敷で対面した依頼主は屏風に隠されて姿が見えません。
「シャルビューク夫人」と名乗った依頼主は、画家に「自分の姿を見ずに」肖像画を描いて欲しいと依頼します。
世紀末にふさわしく、ミステリアスな女性の語る荒唐無稽で魅惑的な物語に、主人公の画家同様、翻弄されました。
以下少々ネタばれです。