SSブログ

「若冲と江戸絵画」展へ行ってきました。 [アート]

プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展(愛知県美術館)へ行ってきました。
今まであまり江戸時代の絵画には興味なかったのですが、これがとても面白かったです。


伊藤若冲というと、リアルな花鳥画というイメージしかありませんでした。
以前に画集を見た時に、あまりに緻密で鮮やかな絵に恐れをなしてしまったので、それしか記憶に残っていなかったみたいです。(鳥の顔がリアルすぎて怖かった・・・)
しかしこのプライスコレクション展では、現代のイラスト風(?)でお茶目なものや水墨画などもあり、色々な画風を持った人だったのだなぁと目から鱗が落ちる思いでした。
若冲以外でも、円山応挙や酒井抱一、長沢芦雪などの絵も良かったです。

屏風や掛け軸などがかなりの数がガラス無しで展示してあったり、自然光を模した照明で一日の光の変化でどのうように絵の見え方が変化するかなど、こだわりのある展示でした。

以下、気に入った絵について簡単に感想を。

■「鳥獣花木図屏風」伊藤若冲
まずは、チラシにもチケットにも使われている「鳥獣花木図屏風」です。
屏風は2つで1組のようで(もの知らすでスミマセン)、この屏風も左右2隻で一対。
チラシに使われているのは向かって右側に置いてあった屏風で、象を中心に様々な動物が描かれています。左側には孔雀や鶏など様々な鳥が描かれています。
特に気に入ったのは、右側のものです。
象、豹、虎、鹿、兎、猿などの動物たちが描かれているのですが、中には「これは何?」というような不思議な動物たちもたくさんいます。(ちょっと「バムとケロ」を思い出しました)
江戸時代の人ですから、本物など見られる筈もなく想像で描いたのでこうなったのでしょう。
「これは多分あの動物なんだろうなぁ・・・」と考えながら一つ一つ見ていくと、すぐに時間が過ぎていきます。
しかも、描かれた動物たちの表情が、何とも愛嬌があってかわいいのです。
私が特に気になったのは、屏風の左の下に1匹、左の上の方に2匹いる、茶色いオコジョのような動物です。(リンク先画像では小さくてわからないと思います。実際とても大きな屏風なので・・・残念)
描き方もすごいのですが、詳しい説明はこちら(オフィシャルブログ)やこちら(ぬりえがあります)をどうぞ。

■「白象黒牛図屏風」長沢芦雪
とても迫力がある上にかわいいという正反対の魅力を持つ不思議な屏風です。
かなり大きい屏風いっぱいに描かれた白い象と黒い牛。どちらも優しい目をしています。
牛のお腹のあたりには小さい白い犬がもたれかかり、象の背中には烏がちょこんと乗っかっているのです。
表情が良いのですよ〜。
ほのぼのとした気持ちになりました。

■「葡萄図」伊藤若冲
墨の濃淡だけで描いたなんて思えないです。
プライス氏が初めて手にした若冲の絵だそうです。

■「伏見人形図」伊藤若冲
掛け軸を「葡萄図」、「鷲図」と順に見てきて、次にこの「伏見人形図」が出てきた時にはあまりに画風が違うので驚いてしまいました。
現代のイラストと言っても通るような絵ですよねぇ。

■「雪中松に兎・梅に鴉図」葛蛇玉(かつじゃぎょく)
とてもインパクトがありました。黒と白のコントラストが見事です。冬の寒さ厳しさが伝わってきます。(それにしても兎って木に登るのだろうか?)

■「花鳥人物図屏風」伊藤若冲
画像ではわかりにくいのですが、実際に屏風を目の前にすると、鳥や人物の筆運びに踊るようなリズムがあってとても心地よいのです。

■「懸崖飛泉図屏風」円山応挙
でこぼこと折り曲げて立てられる屏風に描かれたことによって、より遠近感が増しているような気がしました。

長くなってきたので、後は題だけ。

■「四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」酒井抱一
■「青桐・紅楓図」鈴木其一
■「貝図」鈴木其一

興味を持たれた方は、こちらへどうぞ。

■ 公式サイト : http://jakuchu.jp/
  プライスコレクション「若冲と江戸絵画」の公式サイトです。

■ コレクションブログ : http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/
  オフィシャルブログです。
  プライス氏が直々に出展作について解説されています。
  出展作がほぼ全作見られます。おすすめです。


nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 3

コメント 4

こんばんは。今度相国寺の承天閣美術館で釈迦三尊像と動植綵絵をやりますね。
by (2007-05-01 22:37) 

shiori

gon様
はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
来週末からですよね。
見てみたい作品がたくさん出展されるようなので、行きたいという気持ちはやまやまなのですが、京都なんですよね〜(^_^;)
by shiori (2007-05-02 21:48) 

りゅう

今度は、江戸絵画ですか。
本当にいろんな趣味がありますね。広くて深いです。
若冲を初めて知った私です。(恥ずかしい)
プラシス氏の公式サイト見ました。
ちょっと知識を増やしました。
そして、美術館など行ったことのない私が、行ってみたい!
と思っています。いつになるかわからないけど。
また、新たな知識をお願いします。
by りゅう (2007-05-04 04:03) 

shiori

そんな深くないですよ〜。広く浅くがモットーなので(^_^;)
しかし実際に本物を見ると、画集などで見るのと随分違う印象を受ける場合があります。
今回がまさにそれでした。
いつか美術館へ本物を見に行ってみてくださいね。
きっと何か新しい発見がありますよ(*^_^*)
by shiori (2007-05-05 22:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。