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『面白南極料理人』 西村淳/著 [旅行記(本)]

面白南極料理人

面白南極料理人

  • 作者: 西村 淳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 文庫

南極観測隊第38次隊に料理担当として参加した著者の料理&南極ライフです。

「南極観測って、どんな人が行っているのだろう?」
という興味と
「なんか美味しそう」
といった理由でこの本を手に取りました。

有名な昭和基地から更に奥地に行くこと1000km。標高3800m、平均気温−57度、最低記録気温−79.7度という、動物どころかウィルスさえも存在できない極寒の「ドームふじ観測拠点」で、繰り広げられる観測と宴会の日々が綴られています。

私は、南極というとタロジロとかペンギンとかしか浮かばない人間なので、とても興味深く読ませてもらいました。


この本に登場するのは観測隊の中でも、ドームふじで活動する9名。
うち研究者は気象庁、国立極地研究所、大学から計5名。
お医者さんが1名。
通信担当、機械担当が一般企業から1名ずつ。
そして料理担当の著者は海上保安庁という、まさに寄せ集め。

漠然と大学の研究者の人が行っているんだろうなぁとは思っていたのですが、研究者の人が観測に専念できるようサポートするには色々な人が必要なんですね。

著者が料理担当のため、第38次観測隊が結成された後の準備期間の話(主に食材調達関係)も詳しく書かれています。
様々な種類の冷凍食品があるのだなぁ、と感心したり、えっ?こんな高いもの買っちゃうの?と驚くことも・・・。

そうなんです、出てくる食材が豪華なんです!
カニ、伊勢エビなどは言うに及ばず、ウニ、フォアグラ、超高級牛肉(宮内庁御用達)等々、錚々たる品揃え。
そしてお酒も。
「これ税金で買ってるんだよね・・・」と思わず呟いてました。
粗食をしろとは言いませんが、ちょっと贅沢すぎるような気も・・・??

また、宴会がとても多い。
雪と氷に閉ざされた極寒の地。富士山並みの標高で少し動けば息切れ、油断するとすぐ凍傷になるという厳しい外部環境と、顔を合わせるのは限られた数名のみという内部環境。その中で1年以上過ごさなくてはならない彼らのストレスを和らげるのは、宴会くらいしかないのだなぁ、と知りました。

しかし、どんな環境でも遊び心を忘れない、個性的な隊員さんは面白いし、著者の作る料理もとてもおいしそうでした。


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ランランラン太郎

興味ありますね。南極越境隊の人たちの日常生活は。
昔に比べるといろいろなものやことが発達しているのでもしかしたら
そんなに不自由ないのかもしれませんが、私たちが知る由もないことですもの。面白そうです。
高級品を食べ、宴会していても、外はいつも氷の世界なんですものね。
by ランランラン太郎 (2007-04-08 10:49) 

shiori

ランランラン太郎様
そうですね。
文明の利器はあっても、世間と隔絶された場所に限られた人数で隔離されるというのは(精神的に)想像以上に大変な事だと思います。
by shiori (2007-04-09 22:30) 

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